横浜トリエンナーレ。

http://www.yokohama2005.jp
迫りくる寒波の中、フジぽんちゃんと日曜日に行ってきました。

久しぶりの元町中華街。駅の特設券売所で券を購入して、江戸清の豚まんを食べていざ出陣です。
・・・が、ものすごい風!!!
もう泣きそうでしたよ。何でこんなところに来たんだ私。潮風が目に身に沁みまする。。。
入場ゲートから徒歩10分ほどということでバスも出ていたのですがダニエル・ビュランの例の赤白旗のインスタレーションを観ずには入場できない!と思い、冷たい潮風に吹かれながらとほほの徒歩でした。ものすごい風だったためものすごい数の旗がばたばたと音を立ててはためいていて、そうかこの音も作品の一部なんだなとぼんやりと思ったりしました。
3年に一度(前回は2001年でしたが)の国際的な現代アートの祭典ということで、会場内は普通の美術館のような静かさとか緊張感とかがなく、とってもにぎやかで楽しい雰囲気でした。カポーだけじゃなく親子連れも多かったなあ。屋台やカフェもあり、ヒーターやソファが置いてあるスペースありで、完全に長居していく会場づくり。横浜の倉庫の中でこんなにくつろぐ人たちの姿を見ることもなかなかないでしょうにー。
現代アートということで、観客参加型がほとんど。
おもしろかったのはタイのソイ・プロジェクトのインスタレーションと、台湾のワン・テユのインスタレーション
ワンさんのほうは、長机に弦が張ってあってそこに木の積み木を組み合わせてその音の変化を楽しむというもの。倉庫の会場の中でそこだけ真白な空間が作られていて、切り取られた感じもステキでした。
ソイ・プロジェクトのほうは、真っ暗な小部屋が迷路のようにドアでつながった空間。タイの漫画家ウィスット・ポンニミットさんの一コマ漫画がそれぞれの部屋のドアに貼られていて、どのコマを選んでドアを開けて進むかによってストーリーが変わるというもの。ポンニミットさんの絵は前に世田谷ものづくり学校でも個展を見ていたので思わぬところでの再会となりました。絵もかわいらしいし話もかわいらしいし、真っ暗な空間の中でふと上を見上げると星空か森の中の木漏れ日のように見える灯かりがなんともステキで、思わず2回入ってしまいました。
あとは奈良美智+grafですね。やはり。あれだけの作品があってやっぱり傑出していた感があります。今回もステキ奈良ワールドを体感してきました。原美術館での個展を思い出す。あの部屋はまだあるんだろうか。
ほかにも寒空の中ふんどしでがんばってる身体表現サークルの皆様や、ふと見上げたところで空中散歩している動物たちや、見知らぬお母さんの声を電話越しに聴いてちょっと感動してみたりといろいろ内容はもりだくさんだったかなと。
ただ、観客参加型作品の難しさみたいなものも感じました。現代アートの難しさとでも言うべきかも知れないですが。
なんか今回見ていて、こっちもそれなりに観たり聴いたり触ったりして吸収しようと思わないと、「ふうん」て終わっちゃうんじゃないかなって不安があったんです。
何も作者の意図を全部汲み取らないとその作品を味わったことにならないとか、そういうことを言うつもりは毛頭ないのですが。
なんだろう。もりだくさんでいろんな刺激があって楽しかったのだけど、「これすごいわ」てずしーんて響いてくるような何かが覆されるような感情があまり味わえなかったというか。消化不良な感じ。
作品の質が悪いとか、そういうことはないと思うので、多分その消化不良感は静かにじっくり作品と向き合う空間ではなかったことが原因なんじゃないかなと。自分でそんな風に考えているところです。
それがいいとか悪いとかではなく、きっといろんなアートの楽しみ方があって、それはそれでいいんじゃないかなと。
テーマは「日常からの跳躍」でした。
ちょうど跳躍でもしないとやってられない日常だった私にとってはいいイベントだったかなと。
次こそは3年後に開催される・・・のかしら???
〜12月18日(終了)@横浜山下埠頭3号・4号上屋