冷めない紅茶。

冷めない紅茶 (福武文庫)

冷めない紅茶 (福武文庫)

悠ちゃんにお借りしました。
薬指の標本 (新潮文庫)*1の解説で、「小川洋子は「ない」ことを書く作家だ」ていわれてた気がしますが、
その言葉は、私がなんとなく感じていたこの人の作品の不安定さとか静謐さとかを
うまく言い当ててくれているなとしみじみ感じました。
この作品もそんな感じ。「ない」が「ある」ことを丁寧に書いているのだなと。
表題作はほんとに不安定な終わり方で、でもそれでおさまっている感じもして、そこが不思議。
かつ小川洋子の持つ味なんだろうなと。

*1:かんそうは→id:momo8823:20060909#p3