にごりえたけくらべ。

にごりえ・たけくらべ (新潮文庫)

にごりえ・たけくらべ (新潮文庫)

現代の日本語の文体が完成する前の、句点なしかぎ括弧なしで続いていく文章に慣れるまでが少々大変ですが、でも話はすごくおもしろかったです。
たけくらべ」の甘酸っぱい感じもよかったですが、「十三夜」の登場人物みんなが抱えるつらさや、「大つごもり」の最後の軽快さや、「わかれみち」のせつなさもとてもよいなあと思います。
無理に落ちをつけようとしていなくて、ただ人々の日常を切り出している感がうまいなあと。
主人公の女の人がみんな美人なのはどうなのかしら。